それはまだBLが「ヤオイ」と呼ばれていた時代…
「ヤオイとは?」と聞かれると、私はまず“言葉の使われ方が時代で変わってきた”ことを思い出します。今は「BL」という呼び方が一般的ですが、昔は同人の界隈で「やおい/ヤオイ」という言葉がよく使われていて、そこから連想する作品の雰囲気や距離感も、当時と今では少し違います。 私の中で、その“当時の空気”を一番わかりやすく感じられるのが雑誌『JUNE』でした。今回の1979年6月号の表紙を見ても、金髪の人物が繊細なタッチで描かれていて、今のポップなBL表紙とは別の、耽美で文学寄りの匂いがします。表紙に竹宮惠子先生や青池保子先生のお名前が並んでいるのも、「あ、この時代の中心にいた作家さんたちだ…」と胸が熱くなるポイントでした。 「ヤオイ」という言葉は、雑に言えば“男性同士の関係性を描いた二次創作・同人”の文脈で広まった言葉として語られることが多い印象です。ただ、当時は今ほど用語が整理されていなかったので、読む側も作る側も「恋愛」「耽美」「少年愛」などの周辺ジャンルと行き来しながら楽しんでいた気がします。だからこそ、同じ「ヤオイ」でも、コメディ寄りもあれば、しっとり重めもあり、作品の幅が広かったんですよね。 竹宮惠子先生といえば、後のBL表現にも大きな影響を与えた存在として名前が挙がりますが、私が当時の雑誌を見返して感じるのは“絵の線の説得力”です。髪の流れやまつげ、衣装の質感まで、ページをめくるだけで世界観に連れていかれる。SNSで流れてくる短尺の情報では得にくい、紙の雑誌ならではの没入感がありました。 もし「ヤオイとは何?」を入口に興味が湧いたら、用語だけを調べるより、当時の雑誌や作品の“表紙・絵柄・文章の温度”を眺めてみるのがおすすめです。『JUNE』のような媒体を通して見ると、言葉の定義以上に「なぜこの表現が支持されたのか」が体感でわかって、理解が一段深くなると思います。

JUNEはお耽美系が多いイメージでしたね。 801←もはや古の数字w