読書タイム#46

『火喰鳥を、喰う』 原 浩

*あらすじ*

信州で暮らす久喜雄司に起きた2つの異変。久喜家の墓石から太平洋戦争末期に戦死した大伯父・貞市の名が削り取られ、同時期に彼の日記が死没地から届いた。貞市の生への執念が綴られた日記を読んだ日を境に、雄司の周辺で怪異が起こり始める。祖父の失踪、日記の最後の頁に足された「ヒクイドリ クウ ビミ ナリ」の文字列。これらは死者が引き起こしたものなのか━━━━━

*感想*

最初はただのホラー小説かと思って読み進めたら、予想外な結末に行き着きました。かなりなバッドエンド過ぎて泣けました。こんな報われないことあるんだなと。どんな結末を迎えるのか、ぜひ読んでみてください✨

#神すぎる本と文房具

2025/10/24 に編集しました

... もっと見る『火喰鳥を、喰う』は単なるホラー小説にとどまらず、戦争の影が未来にまで連なるテーマを巧みに織り交ぜています。私もこの作品を読んで、怪異の背後にある人間の強い生への執念や、歴史の重みを深く感じ取りました。 特に墓石から名前が削られるという演出は、戦争で失われた人々の記憶が薄れていくこと、そしてその記憶が生きる者に重い影響を与えることを象徴しているように思えます。日記に記された「ヒクイドリ クウ ビミ ナリ」という謎の言葉は、作品のクライマックスに向けて緊張感を高め、読者を引き込む重要なキーとなっていました。 また、作者の原浩氏の執筆背景として、角川ホラー文庫からの刊行や映画監督の本木克英氏による映像化が予定されていることも、作品の評価を後押ししています。これにより小説の世界観がより広がりやすく、読者は物語の臨場感を一層味わえるでしょう。 私自身、最初はただの怪談風ホラーと考えていたものの、読み進めるうちに歴史と家族の物語としての重みを感じ、バッドエンドに涙しました。読後は胸にずっしりとした感情が残り、「報われない」悲劇に対する深い共感が生まれました。 ホラーが苦手な方にも挑戦してほしい一冊です。特に歴史的背景を含んだ怪異譚をお探しの方には、『火喰鳥を、喰う』は強くおすすめしたい作品です。読み終えた後に感想を共有できる読書会やSNSでの議論も盛り上がること間違いありません。ぜひ手に取って、久喜雄司の奇妙で切ない物語を体験してみてください。