読書タイム#62
『ほどなく、お別れです』 長月天音
*あらすじ*
大学生の、清水美空は、東京スカイツリーの近くにある葬儀場「坂東会館」でアルバイトをしている。坂東会館には"訳あり"の葬儀ばかり担当する漆原という男性スタッフがいた。漆原は、亡くなった人とら遺族の思いを繋ごうと心を尽くす葬祭ディレクターだった。「決して希望のない仕事ではないのです。大切なご家族を失くし、大変な状況に置かれたご遺族が、初めに接するのが我々です。一緒になってそのお気持ちを受け止め、区切りとなる儀式を行って、一歩先へと進むお手伝いをする、やりがいのある仕事でもあるのです」。
*感想*
映画化するということでとても興味が湧き、買いました。涙無しにはみれなくて、どの話も悲しの中に温かさがあ る、葬儀場を舞台にしたお話です。一気に4巻まで買ったので楽しみです!
ぜひ読んでみてください‼️
私が『ほどなく、お別れです』を手に取ったきっかけは、2026年2月に映画化されると知ったことでした。主演の情報も出ていて(表紙の告知を見て一気に気になりました)、原作を先に読んでおきたくて。結果、読後は「泣ける…でもちゃんと前を向ける」タイプの物語で、重すぎない温度感がすごく良かったです。 この小説の魅力は、葬儀場が舞台なのに“絶望だけ”で終わらないところ。大学生の清水美空がアルバイトをする「坂東会館」では、事情を抱えた葬儀も多く、そこで働く漆原さんが遺族の気持ちを丁寧につなげていきます。誰かを失った直後って、自分でも感情を整理できないのに、やることはたくさんあって気持ちが置いていかれがち。そんなタイミングで「最初に接する人」の言葉や態度って、本当に記憶に残るんだろうな…と想像して胸が詰まりました。 読んでいて印象的だったのは、“葬儀=区切りの儀式”という考え方です。悲しみを無理に消すのではなく、受け止めて、きちんと見送って、少し先へ進むための時間。漆原さんの仕事ぶりが静かに誠実で、派手な感動演出ではないのに涙が出る場面が多かったです。こういう「じわじわ泣ける」小説を探している人にはかなり刺さると思います。 映画化で気になる人向けに、個人的におすすめの読み方は“1話ごとに余韻タイムを作る”こと。私は続きが気になって一気読み寄りになりましたが、各エピソードが短編のように心に残るので、少し間を空けると感情が落ち着いて、言葉がより沁みます。 もし「葬儀場の話って暗そう」「つらすぎるのは苦手」と迷っているなら、まずは1巻だけでも試してみてほしいです。悲しみの中に温かさが確かにあって、読み終わったあと人に優しくしたくなる小説でした。映画を観る前の予習としても、観た後の答え合わせとしても楽しめそうです。
