ソフィスト
Produced by KANSAITEI
正しい言葉を 選んだつもりで
響きのいい嘘を 磨いてた
考えてるようで 考えてなくて
拍手の数だけ 自信が増えた
難しい顔で 簡単な答え
誰かの不安に 値札をつける
信じたい方が 勝つ世界で
疑うことは ダサいらしい
僕はソフィスト
真理は置いといて
今 気持ちいい言葉をあげる
君が望むなら
どんな理想も
それっぽく語ってあげるよ
ソフィスト
正しさより先に
拍手が鳴る方へ行くだけ
間違ってるかどうかなんて
あとで決めればいいだろ
矛盾に気づいて 目を逸らして
「みんなもそうだ」と 呟いた
守ってるのは 思想じゃなくて
崩れそうな 自分の立場
痛い現実より 甘い説明
飲み込む方が 楽だから
賢いふりした この街で
本音はいつも 静かに溺れる
僕はソフィスト
疑いもせず
信じる君を責めはしない
だってこの世界
考えるより
流される方が速いから
ソフィスト
もし目が覚めたら
その時は ここを離れな
答えなんて 最初から
欲しかったわけじゃないだろ
「ソフィスト」という言葉は古代ギリシャの哲学者や弁論術の教師を指す一方で、現代では“言葉巧みに相手を説得する人”といったニュアンスも持っています。この詩が描くソフィストは、正しいかどうかよりも、拍手や共感を得ることに重きを置き、時には真理を置き去りにする姿を映し出しています。 私自身もSNSや人間関係の中で、似たような状況を感じることがあります。真実を追求するよりも、受け入れられやすい情報や心地よい言葉を優先してしまいがちな場面です。例えば、誰かの意見に疑問を抱いても、「みんなそう言っているから」と自分の考えを押し殺してしまうことがあるのです。 この詩が示すように、ソフィスト的な態度はある意味で現代社会の流れに適応しているとも言えます。情報過多で判断が難しい中、確かな答えを後回しにして「気持ちいい言葉」を求める傾向は、多くの人に共感されるでしょう。しかし一方で、その背後にある「崩れそうな自分の立場」や「静かに溺れる本音」にも気づくことが大切です。 私自身、真理や正しさを問い続けることの重要性を感じていますが、それを言葉にするには勇気が必要です。この詩は、そうした葛藤と社会の風潮を鋭く映し出していると感じます。ソフィストの言葉のように簡単で響きの良い嘘に甘えるのではなく、時には立ち止まり、深く考えることの価値を再認識させてくれます。


