Sicilienne - Fauré
フォーレの「シシリエンヌ(Sicilienne)」は、フルートで吹くと“音が長く伸びる”という楽器の良さがいちばん素直に出る曲だと思っています。ゆったりしたテンポの中に、少しだけ影が差す感じがあって、聴く側も吹く側も自然と胸がきゅっとなるタイプの名曲です。「フルートで感動するクラシック」を探している人にまず挙げたい1曲。 ■「シシリエンヌ/シチリアーノ」って意味は?違いは? 「Sicilienne(シシリエンヌ)」は、イタリアのシチリア島(Sicily)に由来する舞曲風の様式名として使われることが多いです。日本語で「シチリアーノ」と呼ばれることもあり、実用上は“同じ系統(シチリア風)を指す言い方の違い”として扱われがち。プログラムやCDで表記ゆれが起きるのはこのためで、検索すると両方の表記が出てきます。 ■フォーレ「シシリエンヌ」フルートの聴きどころ 私が好きなのは、旋律が歌っているのに、感情を押しつけてこないところ。フレーズの終わりが「泣き」ではなく「余韻」になるので、ホールの響き(たとえば洋館の木の残響)とすごく相性がいいです。メロディの山を作ったあと、すっと引いていく瞬間にフォーレらしさが出ます。 ■吹きやすくするコツ(練習メモ) ・息は“強く”より“細く長く”:音量を上げたいときほど、息のスピードは保ったまま通り道を整えるイメージ。 ・タンギングは最小限:言葉を置くというより、レガートの中に小さく区切りを入れる程度にすると雰囲気が崩れません。 ・装飾や上行形は急がない:指が忙しいところほどテンポが前のめりになりやすいので、拍の真ん中に落ち着かせると“舞曲感”が残ります。 ■関連曲も気になる人へ(検索でよく一緒に出る話題) 「フォーレの名による子守歌」は、同じく歌心が中心にある作品として並べて聴くと世界観がつかみやすいです。一方で「断頭台への行進」は雰囲気がかなり異なる(劇的で、描写的)ので、同じ“解説を読みながら聴くと面白い”枠でも、感情の方向が別物。フォーレのシシリエンヌで“静かな余韻の気持ちよさ”を知ったあとに聴くと、クラシックの表現幅がより立体的に感じられます。 フルートの有名曲として定番なのに、何度吹いても新しい表情が出るのが「シシリエンヌ」の魅力。表記が「シチリアーノ」でも中身は同じ名曲なので、ぜひいろいろな演奏を聴き比べて、自分の“いちばん沁みるテンポ”を探してみてください。







wow very nice flute sounds