映像業界で20年、30年と経験を積んでも、音声の規格については意外と体系的に学んでいないというプロが存在する。カメラの露出やホワイトバランスは即答できるのに、音量の「業界基準」を聞かれると手が止まる——そういう人に向けて書いた。

放送・Web配信・映画、それぞれの業界には音量の基準がある。YouTubeは-14 LUFS、日本の地上波放送はARIB規格に基づく-24 LUFS、欧州放送はEBU R128の-23 LUFSだ。同じコンテンツを複数のプラットフォームに展開する時代に、この数字を知らないまま納品すると、自動補正によって意図しない音質変化が起きる。「なぜか放送素材をYouTubeに上げると音が変わった気がする」という経験をした人は、この規格差がその原因だった可能性が高い。

技術は知識が武器になる世界だ。規格の体系と実践的な設定方法を、今回の記事にまとめた。

https://note.com/videolife/n/nad5c8039e061?sub_rt=share_sb

4/13 に編集しました

... もっと見る映像業界で長年仕事をしていると、カメラ設定に関する知識は自然と身につきますが、音の規格についてはあまり体系立てて学ぶ機会が少ないことに気づきます。私自身も初めは音声の業界基準を意識せず映像を納品してしまい、後から複数の配信プラットフォームで音量の違いによる質のばらつきを指摘されてハッとしました。 例えば、YouTubeの音量基準は-14 LUFSに設定されていますが、日本の地上波放送はARIB規格の-24 LUFS、欧州ではEBU R128の-23 LUFSが使用されています。この差があるため、そのまま放送用の素材をYouTubeに流すと自動で音量補正され音質が変わってしまうことが頻繁に起こります。 私の経験では、プラットフォームごとのLUFS基準をしっかり把握した上でコンテンツを制作・編集することが何より重要です。具体的には、音声のマスタリング段階で該当するLUFS基準に合わせて音量を調整し、異なる配信先ごとに最適化されたファイルを用意しています。 また、最新の編集ソフトや音声メーターではこれら基準に準拠した測定ツールが搭載されているため、正しい数値を把握しやすくなりました。技術は日進月歩ですが、規格知識が武器になり、品質の安定・向上につながることを実感しています。 映像制作の現場で音の品質を制御することは視聴者体験にも直結します。この記事で紹介された基準値や実践的な設定方法をマスターすれば、専門的な音声知識がなくても品質の安定したコンテンツ制作が可能となり、仕事の幅が広がるはずです。ぜひ音声の規格についても積極的に学んで活用してみてください。