流浪の月

【流浪の月】凪良ゆう

東京創元社

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最初にお父さんがいなくなって、次にお母さんもいなくなって、わたしの幸福な日々は終わりを告げた。すこしずつ心が死んでいくわたしに居場所をくれたのが文だった。それがどのような結末を迎えるかも知らないままに。

だから十五年の時を経て彼と再会を果たし、わたしは再び願った。この願いを、きっと誰もが認めないだろう。周囲のひとびとの善意を打ち捨て、あるいは大切なひとさえも傷付けることになるかもしれない。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。

新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。

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【読書の感想】

儚くて、歪んだ愛の形。でもそれが人によっては居心地のいいたったひとつの居場所。

文も更紗も一見可哀想で居場所がなくて、傷ついた人達だと思ったけど見方を変えれば強い人に見えました。苦しい環境にいてもそこに馴染む努力と、心の中では何が嫌で、何に惹かれているのかをよく分かっていることって当たり前じゃない。

必死に自分というものを保ちたくて、もがく事ができる人間らしさを持ち合わせた存在だと思いました。

そして自分たちに向けられた見えないナイフを自分だって持ち合わせていることを理解している。

それは相手を思いやるための根底に持つべき大事なことですよね。

文たちが事件を掘り返された時のもどかしさや苛立ちがまるで自分のように感じられるくらい話に入ってしまい、呼吸できてたか分かりません笑

でも本当にラストが良かった。凪良ゆうさんの作品は2作目ですが文章の表現力に惚れました!もっと読みたいですね!

#コメント大歓迎 #本も文房具も大好き #勉強の夏 #Lemon8読書部 #読書

2025/9/8 に編集しました

... もっと見る私自身も『流浪の月』を読み進める中で、登場人物の複雑な心情に強く共感しました。この作品はただの恋愛小説ではなく、人生の困難や孤独、そしてその中で見つける小さな光を繊細に表現しています。 特に、主人公たちが築く“儚くて歪んだ愛の形”は、人によっては理解されにくいかもしれませんが、彼らにとっては唯一無二の心の拠り所であり、居場所であるという視点が印象的でした。私も過去に自分の居場所を模索しながら、周囲の誤解や偏見に苦しんだ経験があり、文や更紗の葛藤や努力を自分事のように感じました。 さらに、作品内で触れられる「見えないナイフ」という比喩は、自分も他人も傷つける存在であることを認識しながら、相手を思いやる複雑な人間関係の機微を考えさせられます。自分の弱さと向き合いながら、もがきつつも前向きに生きていく姿勢には深い感動を覚えました。 この作品は文章の美しさも魅力の一つで、凪良ゆうさんの表現力に何度も惹き込まれました。繊細な感情描写や静かな緊張感が続くストーリー展開は読み応えがあり、読後に強い余韻を残します。 読書後には、自分自身の心の居場所や大切な人との関係を改めて見つめなおすきっかけになります。心に深く響く作品を求めている方には、『流浪の月』は必読の一冊だと感じました。今後もこの作家の他作品を読み進めたいと思います。

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関連投稿

木製のテーブルに置かれた凪良ゆう著『流浪の月』の書籍。隣には温かい飲み物が入った白いカップ、茶色のノート、黒い万年筆が見える。本の表紙は暗い背景に白いレースと丸いデザートのようなものが描かれている。
『流浪の月』 凪良ゆう
新年最初の投稿は、凪良ゆうさんの 『流浪の月』 この物語は、 「正しさ」よりも先に、「居場所」が必要だった二人の話。 10歳の更紗と、19歳の文。 世間が見れば、決して許されない関係。 けれど、更紗にとって文の家は、 初めて息ができた場所でした。 その時間は、事件として切り取られ、 「誘拐犯」と「哀れな被害者」という わかりやすいラベルが貼られていきます。 ——本当のことは、誰にも聞かれないまま。 15年後、再び出会った二人は、 「もう会ってはいけない」と知りながら、 それでも離れることができません。 恋でも、家族でもない。 名前のつかない関係
ほんと暮らす日々。

ほんと暮らす日々。

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もやもや
もやもやしたけど。 結果子供を助けた… ふたりが幸せになれるならそれでいいと思う。 色んな個人の悩みって誰にでもある。 言えない悩み。 言いたくない悩み。 やはり大人ってなんなんだろ #流浪の月 #映画鑑賞
MiiMiikt

MiiMiikt

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愛ではない、けれどそばにいたい。
事実と真実は違う 世の中の常識や 世間体で自分という人格が 作り上げられてしまう二人 心の葛藤や苦しみが 物凄く感じる事の出来る 小説でした どうか二人が静かに暮らせられる 日々が続いて欲しいと 願わずにはいられませんでした #本屋大賞 #流浪の月 #凪良ゆう #おすすめ小説
anko

anko

16件の「いいね」

成長したベンガル猫が、特徴的な斑点模様の毛並みと緑色の目でカメラを見つめています。白い柄の布の上、灰色のカーテンを背景に座っています。
私の子猫は成長しました
猫は世界で最もかわいい生き物です。 #猫 #ペット #流浪の月
Mojito

Mojito

192件の「いいね」

「眠れない夜に読みたい本 おすすめ4冊」というタイトルと共に、『ロイヤルホストで夜まで語りたい』、『読んでばっか』、『眠れない夜に言語化の話をしよう』、『滅びの前のシャングリラ』の4冊の本が写っています。右手に羽根ペンとインク瓶があります。
『ロイヤルホストで夜まで語りたい』の表紙が手で持たれており、ロイヤルホストの建物がイラストで描かれています。下には「ロイホにまつわるお話を17人の人気作家が語る本」などの説明文があります。
『読んでばっか』の表紙が手で持たれており、抽象的な人物と犬のイラストが描かれています。下には「江國さんの読んだ本と書き溜めた文章がまとまっています」などの説明文があります。
眠れない夜に読みたい本✨4選
◀︎@maiko_books 今すぐ読みたい本はこれ! 眠れない夜に読みたい本。ずっと読みたかったエッセイ2冊が図書館で順番が回ってきたのでご紹介。ロイホ愛強めのエッセイと江國さんを作った本の量に圧倒された。 そして文庫本になった凪良ゆうさんの小説もご紹介。明日が当たり前に来るわけじゃないって思うと安心して眠ることにまた感謝の気持ちがわきました。 本と一緒に載せたのはおススメネイル。滅び前のシャングリラのイメージでつくられたとってもきれいな筆ペンスタイルのネイル。 読んでみたいと思った本があったら、ぜひコメントやDMで教えていただけると嬉しいです✨ 📚紹介本
まいこ@読書主婦

まいこ@読書主婦

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映画「平場の月」のポスター。堺雅人と井川遥が主演し、中学時代の初恋から始まるリアルで切ないラブストーリーを描く。土井裕泰監督作品で、11月14日(金)公開。複数の登場人物の顔と夜景がコラージュされている。
平場の月
#癒しのおでかけ時間 #からだ健康チャレンジ #コメントチャレンジ #いい夫婦の日 #年末まで病気になりたくない ガンで大切な人を失うストーリーです。 年齢的にも重なることが多くて。。。  『花束みたいな恋をした』が、ある種の若者のリアルな恋愛を描くことを追求していたように、本作『平場の月』もまた一つの恋愛について、特徴的なまでのリアリティをもって描いている。その最も印象的な試みは、近年多くの恋愛作品で描かれてきたピュアな恋愛を、双方が50歳同士という条件下に当てはめてみる点なのではないか。  離婚や子どもとの関係、親の介護問題や死別、自身の老化や健康上の
ふっく

ふっく

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月がテーマの小説5選
<月がテーマの小説 5選> 1 月まで三キロ/伊与原新/新潮社 2 満月珈琲店の星詠み/望月麻衣/文藝春秋 3 月の立つ林で/青山美智子/ポプラ社 4 星に願いを月に祈りを/中村航/小学館 5 夜空に浮かぶ欠けた月たち/窪美澄/KADOKAWA
アオ|小説紹介

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「言葉の表現にうっとり 淡く美しい世界観に浸れる本 3選」というタイトルと共に、小川洋子「琥珀のまたたき」、ハン・ガン「すべての、白いものたちの」、よしもとばなな「みずうみ」の3冊の本が木製のテーブルに置かれている。
よしもとばなな著「みずうみ」の表紙と、「母親を見取った主人公ちひろと、心に闇を抱えた中島くんの奇妙な同居生活」という内容紹介が木製のテーブルに書かれている。
ハン・ガン著「すべての、白いものたちの」の表紙と、「断片的なエピソードが詩のように紡がれ、生と死、喪失と記憶を白で描いた最高傑作」という内容紹介が木製のテーブルに書かれている。
【淡く切ない文学の世界を楽しむなら】
読んでいて、思わずうわぁと声に出したくなる表現がたくさん出てくる本を選んでみました📚 1. みずうみ #よしもとばなな さん   満足度 ★★★★ 読みやすさ ★★★★   読み終わったあと、心がすーっと浄化される感覚がありました。人はそれぞれ、人に言えない悩みや傷づいた過去がある。自分のこれまでの生き方を『肯定』してくれるような、優しい物語でした。   やっぱりばななさんが紡ぐ文章は本当に綺麗だな。こんな文章どうやったら思いつくんだろう。   2. すべての、白いものたちの #ハンガン さん 訳: #斎藤真理子 さん 満足度:★★
ひかり | 本の記録📚

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今日のオススメ小説!『ぎょらん』
感動~~~。ジーンときました。 7つの短編がそれぞれ全然ちがう人生なのに、どこでどう繋がっていくのかがほんとにおもしろい本です。サスペンスじゃないから「大どんでん返し!」みたいな派手な展開ではないんだけど、ラストは思わず「え!」って声が出ちゃうタイプの意外性。 しかも、最後まで“主人公だと思ってた人が主人公なのかどうかわからない”構成になっていて、そこがまた最高。ラストで「あぁそうだったのか……!」ってじわじわ感動くるし、主人公めっちゃかっこいいのでそこも楽しみにしてほしいポイント✨!! それなりに生きてると、大切なひとを亡くした経験がある人って多いと思うんですけど、読みながら自然
みずき┃オススメ小説紹介

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青山美智子著『月の立つ林で』の表紙が写っており、猫のシルエットと月が描かれた青い背景に、本屋大賞ノミネート作家の作品であることが強調されています。手が本を持っています。
青山美智子著『月の立つ林で』の背表紙が写っており、白と黄色のデザインにタイトルと著者名が見えます。手が本を縦に持っています。
青山美智子著『月の立つ林で』の裏表紙が写っており、あらすじ、ISBN、定価、そして著者の他の好評既刊作品の情報が掲載されています。
月の立つ林で/青山美智子📕今月買ったもの
5つの物語からなる短編集。 一つ一つは全く違うストーリーでありながらも 全てが繋がっている。 知らない誰かを 知らないうちに助けている。 優しい世界観で 優しい物語。 月に例えられる人間関係をヒントに 主人公が他人の優しさに気付き成長する姿に じんわりと心が温かくなります。 単純にお月様の勉強にもなり 素晴らしい小説でした✨ 【あらすじ抜粋⬇️】 似ているようでまったく違う、 新しい一日を懸命に生きるあなたへ。 2021年、2022年本屋大賞2位! 『木曜日にはココアを』『お探し物は図書室まで』『赤と青とエスキース』の青山美智子、最高傑作。
sayaka♡

sayaka♡

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