流浪の月
【流浪の月】凪良ゆう
東京創元社
_________________________
最初にお父さんがいなくなって、次にお母さんもいなくなって、わたしの幸福な日々は終わりを告げた。すこしずつ心が死んでいくわたしに居場所をくれたのが文だった。それがどのような結末を迎えるかも知らないままに。
だから十五年の時を経て彼と再会を果たし、わたしは再び願った。この願いを、きっと誰もが認めないだろう。周囲のひとびとの善意を打ち捨て、あるいは大切なひとさえも傷付けることになるかもしれない。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。
新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。
_________________________
【読書の感想】
儚くて、歪んだ愛の形。でもそれが人によっては居心地のいいたったひとつの居場所。
文も更紗も一見可哀想で居場所がなくて、傷ついた人達だと思ったけど見方を変えれば強い人に見えました。苦しい環境にいてもそこに馴染む努力と、心の中では何が嫌で、何に惹かれているのかをよく分かっていることって当たり前じゃない。
必死に自分というものを保ちたくて、もがく事ができる人間らしさを持ち合わせた存在だと思いました。
そして自分たちに向けられた見えないナイフを自分だって持ち合わせていることを理解している。
それは相手を思いやるための根底に持つべき大事なことですよね。
文たちが事件を掘り返された時のもどかしさや苛立ちがまるで自分のように感じられるくらい話に入ってしまい、呼吸できてたか分かりません笑
でも本当にラストが良かった。凪良ゆうさんの作品は2作目ですが文章の表現力に惚れました!もっと読みたいですね!











