ボクが作った朝ごはんを食べるおおやまくみ166
秘密基地③
次の日の放課後、ボクはまた秘密基地に向かいました。
昨日の足あとが、ずっと気になっていたからです。
ブルーシートの端を直そうとしたとき
「ここは君の場所かい?」
優しい声に振り向くと、制服姿の警察の人が立っていました。
近所の交番のおまわりさんで、何回か挨拶だけはしたことがあります。
「えっ‥」
不意を突かれて、ボクは何も言えませんでした。
おまわりさんは中を見回して、ゆっくりと息を吐きました。
「ここに誰か隠れていなかった?女の子を見かけなかった?」
その言葉に、昨日のカノジョの顔が一瞬頭をよぎって、ボクの心臓はどくんと大きな音を立てました。
「(今日は)見てません‥」
咄嗟にそう返答してしまいました。
「ふ〜ん、また来るよ‥」
そう言ってにっこり笑うとお巡りさんはスタスタと歩いて行ってしまいました。
女の子は少し遅れて来ましたがなんだかとても嬉しそうです。
「コレ、わたしが作ったんだよ?食べて」
大量の唐揚げでした。
ボクは大好きだったので喜んで食べました。
(料理が上手だからいいお嫁さんになれるよ)
そう言ってあげたかったのですがプロポーズと勘違いされても困るので黙っていました。
ボクは未だ小学生なので生活力が全く無いからです。
『とても美味しいよ』
そう伝えるのが精一杯でしたがそれでもナナコは満足そうでした。
「約束して‥」
土曜日なので時間があります。
プラネタリウムを観に行って暗くなって椅子を倒した瞬間にナナコが呟くようにそう言いました。
さっき手を繋いだので何を約束して欲しいかは直ぐに分かりました。
『うん、いいよ‥』
星空が目の前にいっぱいに広がって夢のような時間だったのを覚えています。
リクライニングの椅子を倒して横を向いたままこちらをまっすぐに見つめていたカノジョの真剣な瞳が今でも忘れられません。
世界は優しさと思いやりに満ち溢れています。
あなたには未だ巡り合っていません。
#せにょおる ☆
秘密基地という秘密の場所は、子どもたちにとって特別な思い出がつまった場所ですよね。私も小学生のころ、友だちと一緒に秘密基地を作り、そこで過ごした時間が今でも鮮明に思い出されます。 この記事の中で登場する警察官との優しいやりとりは、地域コミュニティの温かさを感じさせてくれます。子どもが安心して遊べる環境があることは、とても大切です。子どもたちの生活力やコミュニケーション能力を育むうえでも、こうした周囲の人たちの存在は欠かせません。 また、ナナコが作ってくれた大量の唐揚げのお話からは、料理を通じた思いやりの気持ちが伝わってきます。私自身も友人や家族に手料理を振る舞うことがありますが、相手の喜ぶ顔を見ると本当に嬉しい気持ちになりますし、絆が深まる瞬間を感じます。 プラネタリウムで星空を見上げながら交わされた約束のシーンは、子ども心に残る宝物のような時間だったのだと共感しました。星空は不思議と人の心を穏やかにし、夢や希望を抱かせてくれますよね。 このストーリーを読むことで、子どもの視点から見た日常のささやかな幸せや成長の瞬間を感じ取り、私たち大人も周囲の優しさや思いやりを見つめ直すきっかけになると思います。秘密基地での出来事は単なる子どもの遊びではなく、社会や人間関係を学ぶ大切な舞台でもありますね。