【分析の技術】コンサルは〇〇を見る
ここからは、記事の内容(外れ値に着目する)をもう一段「実務で使える形」に落とし込みます。私がコンサルとして顧客理解や施策提案をするとき、相関を見つけた後に必ずやるのが“外れ値の深掘り→再現条件の特定”です。 ■ まず「顧客理解」は数字の外れ値から始める 顧客理解というとペルソナ作りに寄りがちですが、最短なのは「買っている人/継続している人」の外れ値を見ること。たとえばGAやECデータで、購入回数が突出している人、平均より明らかに単価が高い人、逆に1回で離脱する人を抽出します。ここで大事なのは“なぜその人だけ違うのか?”を、属性だけでなく行動で突き合わせることです。 ■ 例:広告費ゼロなのに売れている(外れ値)の見方 OCRにもあった「広告費をかけてないのに売れてる」は、めちゃくちゃ強い外れ値です。私は次の順番で条件を潰します。 1) 流入元(検索/SNS/参照/ダイレクト) 2) 初回接触コンテンツ(どの記事・どの投稿か) 3) 購入までの経路(ページ遷移、閲覧カテゴリ、滞在時間) 4) 購入タイミング(曜日/時間帯/キャンペーン有無) この“突き合わせ”で、単なる相関を「再現できる仮説」にします。たとえば「特定の記事→FAQ→比較ページ→購入」の型が見えたら、同じ導線を増やすのが次の一手になります。 ■ コンバージョン率は「業界平均」より自社の外れ値 検索だとコンバージョン率の業界平均が気になりますが、現場では平均値は意思決定に使いにくいです。私は「自社の中でCVRが異常に高いセグメント」を探します。デバイス別、流入元別、ランディングページ別、初回/リピーター別などで分けると、必ずどこかに外れ値が出ます。その外れ値が“伸ばすべき勝ち筋”です。 ■ 需要予測(コンサル視点)は「外れ値×季節性×供給制約」 需要予測は過去平均をなぞるだけだと外れます。私が見るのは、急に跳ねた週(外れ値)に何があったか、そしてそれが季節性なのか単発要因なのか。さらに在庫・人員・広告配信の上限(供給制約)も一緒に置くと、現実的な計画に落ちます。 ■ IT戦略コンサルっぽく言うと「形式知化」までが仕事 外れ値から得た気づきは、そのままだと属人的です。だから私は必ず形式知化します。 ・KPI定義(何を成功とするか) ・モニタリング方法(どの画面で、どの頻度で見るか) ・異常検知ルール(どれくらいズレたらアラートか) ・打ち手テンプレ(ズレ方別に、まず何を確認するか) これを作ると、品質向上(ミスやムダの削減)にも直結します。 ■ コンサルを活用するときのコツ(依頼側向け) 外れ値分析を依頼するときは「相関を見つけてください」より、「“広告費ゼロで売れてる理由”を再現条件まで落としてほしい」みたいに、問いを具体化すると成果が出やすいです。 最後に、コンサルに向いてる人の特徴は“違和感を放置しない人”。外れ値を見つけたときに、面倒でも条件を突き合わせて「何か言えないか?示唆が出ないか?」まで考える癖がある人ほど、分析が一気に武器になります。