「平安の伝説を一枚の絵に。絶世の美女・玉藻前の正体」
江戸時代、限られた愛好家たちの間で交わされた贅沢な木版画「摺物(すりもの)」 本作は、葛飾北斎の門人であり、緻密な描写で知られる八島岳亭(やしま がくてい)による一品です。 描かれているのは、平安時代を揺るがした絶世の美女「玉藻前(たまものまえ)」と、その正体を追う武将「三浦介(みうらのすけ)」の緊迫した対峙シーンです。 鳥羽上皇の寵愛を一身に受けた玉藻前でしたが、陰陽師・安倍泰成の祈祷によって、その正体が「金毛九尾の狐」であることが暴かれます。 岳亭は、彼女の背後に鋭く白い光の束を描き込むことで、九本の尾が露見し始めた瞬間を象徴的に表現しました。 対する三浦