おやすみ前のショートストーリー 🌙 『夜になると現れる本屋さん』
その本屋さん、昼間はどこにも見当たらへんのに、夜になると現れる。 電灯も看板もない。けど、月の光だけで十分やってる。 名前は――「星の栞(しおり)」 棚に並んでる本は、どれも“世界にひとつだけ”。 タイトルも、ちょっと変わってる。 『あの日、言えなかったありがとう』 『もしも違う選択をしていたら』 『夢の中でだけ会えるあなた』 『泣かなかった日の理由』 『本当の私は、たぶんこっち』 どれも誰かの心の奥に、そっとしまわれてた物語。 でも不思議なことに、その本は「読みたい人にしか開かへん」。 私はそっと手に取った。 タイトルは――『◯◯ちゃん
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