望郷のサクラ
チシマザクラの白花で花弁の長いタイプ
チシマザクラは実生で殖やすと個体差が激しいそうで、余所ならピンクが濃くて丸花弁の物も有り、それを接ぎ木した木が道内各地で見られますが、私の買ったこの木の苗は盆栽用の苗木で咲いてみたら白い花…。
北海道でときおり植えられているのを見掛ける矮性の桜で、花が低い位置で咲くので人が顔近くで楽に見られる種類なのですが実はこの種類、日本自生の種類ではありません。
既にこの桜の名前からお気付きの方もいらっしゃるでしょうが、本来は現在ロシアである千島列島からロシアが所有権を主張している北方領土にかけ自生している種類。
元北方領土島民の方が根室に引き揚げる時に苗木を持ってきて根室市のお寺に植えたものから殖やしたもので、我が家 のもその木から殖やされた由来からおそらく実生や接ぎ木で殖やされた子孫に当たります。
北海道の野生の桜にはエゾヤマザクラがあり、樹高を詰めずに育てれば本来は年月が経てばかなりの樹高へ育ちます。北海道でも桜の名所で見られるサクラはエゾヤマザクラであっても樹高を詰め意図的に枝を横に張らした樹形のものです。
千島列島から北方領土、根室半島にかけては年中風が強く海岸に近いと木が真っ直ぐには育ちません。エゾヤマザクラは育ちにくいので、桜前線の指標樹は道内だと札幌あたりはソメイヨシノでも旭川辺りからはエゾヤマザクラへ変わり、根室ではチシマザクラに。
チシマザクラの日本に持ち込まれた原本は、根室市のお寺に植えら今は立派に育って近隣の方のお花見スポットでもあります。
今は北方領土から引き揚げてきた方々もご高齢になり多くが亡くなられて子孫の2世3世の方ばかりになりましたが、引き揚げてきた方々の親御さんや先祖様のお墓はあちらに残されたまま…。
チシマザクラは元々戻る事が叶わない望郷の思いが込められ植えられた、元島民の方には咲いた花を眺めれば北方領土での日本で一番遅く訪れた春を教えてくれる、故郷の象徴の様な木でもあったのです。











