金継ぎは、壊れた器を漆と金でつなぎ、

傷を“新たな美しさ”へと変えていく日本の伝統技術です。

その美しさを支えているのは、漆を丁寧に整える“下ごしらえ”の工程。

漆を練り、不純物を取り除くために欠かせないのが、古くから使われてきた道具「馬(うま)」です。

「馬」は、練った漆を和紙に移して漉くための木製の台で、

そのほどよい硬さとしなりが、漆を清らかに整え、仕上がりの質を決めます。

先日、銀座の工房に新しい「馬」が届きました。

総ケヤキで作られ、木目が息をのむほど美しいお道具です。

手に触れると、木の温度と職人の想いが静かに伝わってくるようでした。

私は、輪島の伝統工芸士であり蒔絵師でもある師匠から、

数百年続く日本の伝統文化を受け継がせていただきました。

その中で、道具そのものもまた文化を支え、未来へつなぐ存在だと教わりました。

今では「馬」を作れる職人さんも少なくなっています。

だからこそ、この道具を大切に扱い、次の世代へ受け渡していきたい。

金継ぎが器の命をつなぐように、道具もまた文化の“継ぎ手”なのです。Maison kintsugi GINZA

2025/11/20 に編集しました

... もっと見る金継ぎは、単に器を修復する技法ではなく、壊れたものを新たな美へと昇華させる日本の誇る伝統文化です。 特に下ごしらえの段階で使われる「馬」という木製台は、漆を和紙に漉すためにとても重要な役割を持っています。この「馬」の硬さとしなりは、漆の質を左右し、最終的な仕上がりの美しさに直結します。 昔から日本各地で使われてきた「馬」ですが、今では作れる職人が少なくなっており、その希少性が高まっています。私が実際に触れた銀座の工房の新しい「馬」は、総ケヤキ製で木目が美しく、手触りからも職人の細やかな技と情熱が伝わってきました。 こうした道具を大切に使い継ぐことは、単に物を維持するだけでなく、文化や技術を次世代に繋ぐことにもなります。私は、輪島の伝統工芸士で蒔絵師の師匠から受け継いだ技術と精神を胸に、この大切な道具を守り続けていきたいと強く感じています。 また、グラスの飲み口の欠けを修理するときにも、金継ぎの技術が生かせる点が魅力です。自然の風合いを活かしながら傷を新たな美しさに変えるための工夫が、多くの方にとって役立つ知識になるでしょう。 伝統道具と技術の深い関係を知ることで、金継ぎをより身近に感じてもらえたら幸いです。ぜひあなたも、金継ぎの世界に触れて、文化の継ぎ手となる喜びを体験してみてください。