壊れた器を、
“また使える日常”へ戻しています。
フランスから届いた、
ひとつのマグカップ。
取れてしまったパーツを、
日本古来の天然漆で丁寧に接着し、
金継ぎでお修理しました。
今回の器は、
割れだけではなく、
表面の釉薬も一部剥がれ、
ところどころ小さな穴ができている状態でした。
そのため、
ただ形を戻すのではなく、
漆で何度も補強を重ねながら、
器としてまた安心して使える状態へ、
少しずつ整えていきます。
金継ぎは、
単に傷を隠して綺麗に見せるための技術ではありません。
壊れたものを捨てず、
手をかけながら、
もう一度暮らしの中で使い続けていく。
そんな日本の“ものを慈しむ文化”の中で、
長く受け継がれてきた修復技術です。
欠けや割れも、
なかったことにするのではなく、
その器が歩んできた時間として受け入れていく。
そこに、
金継ぎならではの静かな美しさがあるように感じています。
海外から届く器にも、
持ち主の暮らしや思い出が、
静かに詰まっています。
またコーヒーを注ぎ、
いつもの時間の中で、
自然に使っていただけますように。
そんな想いで、
ひとつひとつお修理しています。
金継ぎは単なる修理技術ではなく、ものの歴史や持ち主の思いを尊重する日本の文化そのものです。私自身、昔使っていたお気に入りの陶器が割れてしまったとき、この技術に出会い、とても感動した経験があります。 器の欠けや割れは経年の証として残しつつ、天然の漆を何度も重ね塗りして補強することで、丈夫で安全にまた使い続けられるのが金継ぎの魅力です。表面の釉薬が剥がれる場合も、漆が穴を埋めることで器の機能性を回復させます。欧米など海外の器もこの技術で修復されることで、異国の文化と日本の伝統が融合した新しい価値が生まれています。 特にコーヒーや紅茶を楽しむ時間に、金継ぎで修復されたマグカップを使うと、ひとつひとつに込められた暮らしの記憶を感じられ、より味わい深く感じられることが多いです。修復の過程を通じて、物を大切にする心や持続可能な暮らし方への意識も自然と高まるでしょう。 このように、金継ぎは単に美しさを取り戻すだけでなく、物語を紡ぎながら日常の中で使い続ける喜びを教えてくれます。今後もお気に入りの器を長く愛用したい方には、ぜひこの日本の伝統技術をおすすめしたいです。






















