ポストプロダクション統合——DNR2種の役割分担とフィルムグレイン再導入の論理
高ISO素材のノイズリダクションを誤った手順で適用すると、映像は「クリーン」ではなく「溶けた」状態になる。動画の学校でDNRを学ぶとき、まずこの誤解を解くことから始める。
DaVinci Resolveに代表される現代のカラーグレーディングソフトのNRには、原理が異なる2種類がある。
時間的除去(Temporal NR)は、前後フレームを比較してランダムに発生するノイズだけを特定し相殺する。静止している壁面や空の砂嵐除去に最も有効だ。強度70〜80(/100)を起点に調整するのが実践的な基準だ。
空間的除去(Spatial NR)は、フレーム内の隣接画素を分析してテクスチャを維持しながら平滑化する。均一な面の細かいざらつきに効く。しかし強度が強すぎると輪郭とテク スチャが溶ける。20〜30(/100)を上限として使うことを推奨している。
適用順序は必ずTemporalを先に行うこと。逆順では動体部分にゴーストが現れやすい。また、DNRはLUT適用前のLog/RAW素材の段階でかけること。グレーディング後の素材ではノイズと本来のテクスチャの判別精度が下がる(DaVinci Resolve 18 マニュアル)。
最後に、完全にクリーンにした素材にフィルムグレインを薄く乗せる。強度5〜15%、元のISOノイズより細かい粒子サイズが目安だ。電気的ノイズを除去した後に有機的なグレインを被せることで、デジタルの「硬さ」が消え、映像に生命感が宿る。
「消してからグレインを足す」というプロセスは逆説的に見えるが、品質の頂点にある選択だ。
▶ https://note.com/videolife/n/n2583cb3c2c5d?sub_rt=share_sb
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