よーく見ると可愛いんですよ。
多肉植物の、多分ウスユキマンネングサ(学名 セダム・ヒスパニクム)。多分と言うのは、ここの土地に自生しているものなので。でも日本の種類ではなく本当は外国の種類。かなり昔に日本に持ち込まれて、北海道のオホーツク地方に広まった様です。ここの土地だけではなく北見市でも見つけ、採取してきて当地のと比べてみて同じ物と確認出来てます。
一株はとても小さくて、殖えかたは基本実生ですが、育った物を刻んでばら蒔いても発根して増えてくれるとか。
基本的には二年草らしく種子が出来るとその株は枯れてしまいます。逆に種子が作られないなら枝が増えて長めに生き延びる様です。一株は本当に小さなものですが適地なら密植状態になりかなりの広さの規模にも群生できます。
ここの家の土地、廃線になった国鉄の線路と駅舎が昔は近くにあって、しかも貨物置き場からも案外近い事から、その関係で敷地内に辿りついて生えてきた様です。元の駅舎から通勤通学で歩いてきた人がよく利用していたと思われる、昔は食品や文房具を扱っていた商店のお宅の庭には、まるで地面にペルシャ絨毯を敷き詰めてる様にこれが群生して葉が紅葉し花が咲いたり実が付いてる時の光景といったらそれは見事なものでした。
店があった所は我が家敷地から一段高い土地で砂地で水捌けの良い土地。多肉植物の生育には最適な所の様です。
我が家の敷地橫には開拓期から道が作られていた国道が通っており、我が家側は国道から一段下がった低い土地な事から水捌け具合はあまり良くはありません。それでも昔は敷地内に用水路兼用の小川が流れていたそうで、今は上流から流れが替えられてしまい離れた山の橫の方に水が流れてますが、おそらく開拓前の大昔から上流から流れ運ばれ続け堆積してきた小石や砂で出来た河川敷の跡が、猫の額並みの「登記上の原野」として残っており(畑にするには石が多すぎたらしく、ここに納屋を建ててました)そこに近いところならこのウスユキマンネングサがポツポツと生えてきては育ちます。
おそらくは小川が流れていた時代だと河川敷にはびっしりとこれが群生していた様です。
おそらく線路が作られた後の時代から通勤通学で国道を通った人や、馬車の荷物に付いてた土汚れなどからこの植物の種子が河川敷へ運ばれてきたのかと。場所的に国が民間へ払い下げするまでは子供の遊び場とか釣りも行われた、人の利用の多い所だったのでしょう 。
大昔、人が入植した当時はここが拠点の地で、しかも当時は国の所有地。近くにあったこれも国所有の長屋の集落ではちゃんとした井戸も有りましたが洗濯ならおそらく小川が使われた事でしょうし、拠点へ他所から物品を運搬してきて荷が下ろされた馬車の馬の休憩や水飲み場所にも利用されていたはず。
今の家の建物が出来るまで先住者さん家族が住んでいたという、道路から結構離れた奥の土地にあった家までだけの細長い道が位置的に、奥へ行く為の小さな橋をかけるまでは皆が小川まで行くのに使ってた通路の名残の様です。
その証拠として、敷地内のその道の跡橫の花壇の縁に、私が水仙の球根を植えて咲かせようと思い付いて土を掘ってみたところほぼ川砂で小石が異常なほど沢山混じっており、我が家の砂利敷とは似た様な角が丸い石ばかりだったので、掘りながら出てきた石を砂利敷の方へポイポイ投げておいたのです。
で、翌年投げ捨てた石が落ちたあたりの範囲にはこのウスユキマンネングサがびっしりと生えてきて…。
石の表面にくっついていた細かい砂にこの植物の粉の様な種子がくっついていたのでしょうね。
でもそれにしても石にくっついてただけでもかなりの種子…。いったい土の中にはどれだけ多量にこの種子が含まれてたものか…。おそらく小川の流れが変わり川底を埋め立てる前は河川敷にはかなりの年月この種類が大群生して大量の種子を作っては土へ落とし、発芽出来なかったのが土の中で何十年と長い間種子のままで生き延び休眠していた物なのかと…。
ここの土地は先住者さん が買い取って原野を拓き田んぼにするまでは小川の所以外ほとんどが手付かずの湿地で、その方がこの地に住み着いてからだいたい六十年だというのは先住者さんの本家の方が知り合いなので聞いた事があります。
ここの土地では既に他の種類の野草でもいくつか経験してますが、野草の種子というのは土の中で休眠出来れば少なくとも何十年くらいは長い間行き続けられ、何らかの理由から地表に出てきて発芽に適した環境なら直ぐに一斉に生えてこられる物なのですね…。他にも国道縁から突然野生のアズマイチゲが生えてきて、ここ数年だけでもかなりのスピードで群れ生えてきてます。この花咲いてる時も閉じてうつむいた姿も可愛くて大好きだし、葉が時期的に赤銅色になるのでカラーリーフとしても生かせ個人的にはこれが敷地内に生えてきてくれたのがとっても嬉しくて💕
花が可愛かったり食べられる野草が生えてきてくれるなんて、ここの土地ならではのサプライズ。なんともお得で嬉しいオプション付きです💓
他にも春には野生ミツバ(これも突然生えてきて大群生に)やヤマウドとギボウシが食べ放題なのです。野草も植栽と混ぜて楽しめるなんて私には最高な庭です。
さて、このウスユキマンネングサ。そっくりな物にセダム・パリダム(和名無し)があります。
成長期は銀色がかった細長い葉の特徴も一緒で全く見分けは付きません。でも、たった一つだけ明確な見分け方が。
花が咲くと花弁の数が違うのです。パリダムの方は花弁が五枚。ウスユキマンネングサの方は一枚多い六枚。
個人的には、どちらの 種類も白い花で地味ではありますが花弁が多い分、星形のパリダムの花よりもウスユキマンネングサの方がより可愛く見えてしまいます。
株の生え方も独特で、もしかすると変種とかで北海道に生える物だけな限るのかもしれませんが、生えて増える枝が必ずミツマタなのです。
つまりまず地面から生えてきたら根本から3本に別れ、それぞれにまた3本の枝が生てくるのです。それが株自体が密植で生えてるとモサモサと上に盛り上がってびっしりと生えてくるワケ。この特徴はいろいろ調べても出て来ないのであまり知られていない様です。
我が家の庭部分では元湿地部分が多いのでこの種類は群生して保たれる事はほぼ無く、休眠種子から出来た群生の時も二年で花が一斉に咲いたら群生は消えました。アチコチからポツリポツリと単独で生えてくることが多くてそれを大事に保護して育てても砂利敷かの乾燥で全体に伸びず全体に締まって育つので大きくはならず、ほとんどが株の幅は5cmにもなりません。
風で土埃と一緒に種子が舞ったりもするのか鉢植えやプランターからも突然生えてきて、地面から離れた高さや鉢植えなどに使う土の土質が合うらしくて、そちらの方だと割と良く育ちます。
乾燥しがちな環境だと雨が満足に降らないと時期を問わずに葉が紅葉してきてくすんだ薄ピンク色に変わるのも気に入ってますし、雨が多い時期だとモコモコに葉が増え細かい葉も膨らみシルバーがかった緑色が綺麗に見えて、この時もなかなか可愛い見かけに。
画像の様に、花後に出来る実も鞘が一輪につ き6個に分かれて付き赤みが強くて、それがまた花みたいに見えるのもちょっと可愛く、ホントに小さな小さな植物なのですが、これって実物が案外なかなかに可愛いのですよ。
近所の元ホームセンターだった跡の駐車場には他所から来てた車のタイヤの溝に挟まってた土に種子が混じり込み運ばれてきたらしきツルマンネングサがアスファルトの上で群生してて黄色い花を咲かせます。
それを地主さんに声をかけて少しいただいては、日陰にも強い種類なのでわざと木陰で育て徒長させ長く育ててから脚付きのおしゃれめな鉢に植え替え長く垂らして花を咲かせるのも結構好きなのですが、残念ながら我が家敷地ではこの種類だと定着は出来ず…。
他には、見つけた場所から察するにうちの家族が仕事で運転し遠方まで行ったりする車が他所から運んできたらしいタイトゴメは、もっと殖やそうと今鉢で栽培してるところです。越冬出来る多肉植物がそこらに広まって生えてるのも外来植物天国な北海道ならではです。
外国では耐寒性があり屋外栽培が出来るセダムの事を「ガーデンセダム」と呼びます。カラーリーフとして使われる事が多いです。
外国ではほとんどは品種改良された物ですが、日本だとこのウスユキマンネングサも多肉植物のカラーリーフとしてホームセンターなどで販売されてたりも。
ガーデンセダムにあたる種類は我が家でもいくつか植えてはあるものの、このウスユキマンネングサに限っては我が家の場合は無尽蔵に存在するので(種子混じりの土をばら蒔けばいくらでも生えて来るから)他の種類の様な「絶やさないように気を付けなければ」という気を使わなくて良く、また殖えすぎて困る事もなくて案外気楽に扱えるのになかなか楽しめる屋外用の多肉植物なんです。









