【心がざわつく本】
#高瀬隼子 さん
芥川賞受賞作でずっと気になっていた一冊。高瀬さんの本は初めて読みました✨
満足度 ★★★ 3.5
読みやすさ ★★★★
——内容をザクっと——
食に無頓着な二谷、守りたくなる料理上手な芦川、責任感の強い押尾の三人を通して、職場に流れる微妙な空気や心の揺れを食べ物を軸に描いた物語。
私はとにかく食べることが好きです。本を読む時も、なるべく美味しそうなタイトルを選ぶし、ご飯は一人で食べるよりも誰かと食べるほうが好き☺️
でも、この物語に登場する二谷は、どちらかというとご飯を美味しく食べるのが苦手のようだ。言葉の表現も独特で面白かった。
「ただ毎日生きていくために、体や頭を動かすエネルギーを摂取するための活動に、いちいち『おいしい』と感情を抱かなければならないことに、そしてそれを言葉にして芦川さんに示さなければならないことに、やはり疲れる。」
「押尾さん以外誰一人自席に戻らずわいわいと騒いでいるのを見ていると、昼に食べたコンビニ弁当の衣の厚いからあげが胃の中でその形を元に戻していくような心地がした。」
「ちゃんとした飯を食え、自分の体を大切にしろって、言う、それがおれにとっては攻撃だって、どうしたら伝わるんだろう。」
「なんでみんな、食べるんだ。おいしいものを食べようとするんだ。もっと食べたい、なんでも食べたい、がしんどい。なんでケーキで祝うんだ。砂糖の塊で口の中をべちょべちょにして、おかしいんじゃないか、みんな。なんでみんな、こんなにも食べずにはいられないんだ。」
「美味しい」と感じて食べられることさえ、もしかしたら一つの才能なのかもしれない…そんなことを考えさせられる一冊でした。ここまで食事に興味がない人もきっといるんだろうな。
仕事があんまりできないし、すぐ休むし、あざとくてみんなに守られる芦川さん。そのしわ寄せが押尾さん。ついに、二谷に芦川さんへ意地悪しないかと提案する。読んでて心がザワザワしてし まう🥹
芦川さんのお手製ケーキをぐちゃぐちゃに捨てる二谷もひどいけど、ゴミ箱に捨てられたケーキをわざわざ芦川さんの机に置く押尾さんもきつい…肯定はできないけど、相当堪えていた果ての行動なのかなとも思ってしまう🫠
そんなご飯嫌いな二谷がもし、芦川さんと結婚したらどうなるのだろう…続きが気になります。
【心に残った言葉】
「結局我慢する人とできる人とで世界がまわっていく。世界。この世界。わたしが生きて手の届く範囲の世界。」
毎日美味しいものを食べてほんわかする話だと思ったけど、予想の真逆でそれはそれで面白かったです。
気になる方はぜひ!






























