おやすみ前のショートストーリー 🌙 『だれかを照らすランプ屋さん』
町のはずれ、坂をのぼったところに、
夜だけ開く小さなランプ屋さんがある。
お店には、たったひとつの商品しかない。
それは――
「あなたが照らしてきた、だれかのための灯り」
つまりね、
「自分では気づいてない優しさ」だけを、そっと光に変えてくれるランプ。
無言で背中をさすった手。
泣いてる人の隣で、なにも言わずにいた時間。
「がんばったね」と自分では言わなかったけど、そっと空けておいた席。
そんな“あなたがしたこと”が、光になってここに届く。
お店の奥で、年老いた職人さんが小さな炎を見せてくれた。
それは、私が一度だけ、
泣きそうな友だちの手を握った日の灯りだった。
「あなたは、気づかれないまま、だれかを照らしてる」
そう言われたとき、心の奥がふわっと温かくなった。
いまはちょっと疲れてるかもしれんけど、
あなたの灯りは、ちゃんと誰かの足元を照らしてるよ。
そして今夜は、わたしがその灯りをそっと返す番や。
おやすみ。やさしさが光になって、心をぽっと灯す夜になりますように🕯️✨🌙





































