みんなその時はやってくる
どんな人にも、最期を迎える時がやってくる。
朝は機嫌が悪くて、「今日は近寄らない方がいいかな」と思う日もあった。でも、お昼を過ぎる頃には優しい笑顔を見せてくれる。そんなご利用者様がいた。
何気ない毎日だった。
食事をして、テレビを見て、時には冗談を言って笑う。
だけど、ある日から少しずつ変化が始まる。
食事の量が減る。
立ち上がることが難しくなる。
車椅子に移るのも大変になる。
昨日までできていたことが、少しずつできなくなっていく。
そして気が付けば、ベッドで食事介助をする日々になって いた。
「もう少し食べてほしい」
「また笑顔が見たい」
そんな願いを抱きながら介助をする。
だけど、その時間も永遠には続かない。
やがて眠る時間が増え、声をかけても反応が少なくなり、そして眠ったままになる。
悲しい。
何年介護士をやっていても慣れることはない。
それでも私たちは最後まで見守らなければならない。
手を握り、声をかけ、その人が歩んできた人生に敬意を払いながら。
みんな、その時はやってくる。
それは避けられない現実だ。
介護士とは、誰かの日常を支える仕事であり、同時に人生の終わりに寄り添う仕事でもある。
だからこそ、一日一日の「おはようございます」が大切なんだと思う。
今日見せてくれた笑顔は、決して当たり前ではない。
その笑顔に出会えたことを、私は忘れない。







