辞めたから言える、夜勤のやってはいけない対応
介護の仕事を長くしてきたからこそ、今になって言えることがあります。
「あの対応は、間違っていた」
そう思う出来事がありました。
当時、ある利用者様はまだ軽い認知症の状態でした。
ある夜勤の日、その利用者様に対して、夜勤のリーダーがふざけて頭を叩いたことがきっかけで、利用者様が激怒しました。
当然です。
介護職員から突然頭を叩かれたら、誰だって怒ると思います。
ところが、その後の対応がさらに問題でした。
利用者様があまりにも怒っていたことを「うっとうしい」と感じたのか、部屋へ強引に連 れて行き、外から施錠しました。
その部屋にはトイレも、ポータブルトイレもありません。
利用者様は「開けてほしい」と扉を何度も叩き、大声で叫んでいました。
それでも、朝まで開けられることはありませんでした。
後から聞いた話では、扉を叩き続けたことで手が腫れていたそうです。
そして後日、ご家族が病院へ連れて行ったところ、右手を骨折していたことが分かりました。
この件は施設長の耳にも入りました。
リーダーは注意を受けました。
しかし、その後の話は、いつの間にか「閉じ込めてはいない」という話になっていました。
利用者様本人が「閉じ込められた」と訴えても、
「認知症ですからね」
そんな言葉で片付けられてしまいました。
そして、詳しい話はいつの間にかなくなりました。
今振り返っても、これは本当にやばいことだったと思います。
認知症だから、本人の言うことは信用できない。
認知症だから、覚えていないだろう。
認知症だから、仕方がない。
そんな考え方をしてしまったら、認知症の方を守ることなんてできません。
むしろ 、認知症の方だからこそ、本人の訴えを丁寧に確認する必要があると思います。
もちろん、認知症の方の記憶や認識に誤りがあることはあります。
だからこそ、「認知症だから」で終わらせるのではなく、職員側の行動も含めて事実を確認しなければいけない。
今回の件で一番怖いと思うのは、利用者様が訴えていたことよりも、職員側の都合でその訴えが消されてしまったことです。
介護職員は、利用者様の生活や尊厳を守る立場です。
怒られたから閉じ込める。
うるさいから鍵をかける。
認知症だから本人の訴えを信用しない。
これは介護ではありません。
私自身も、長く介護の仕事をしてきた中で、すべて正しい対応ができていたわけではありません。
だからこそ、今だから言える。
「あのとき、もっとおかしいと思わなければいけなかった」
そして、介護現場で同じことが起きないためにも、こういう話をなかったことにしてはいけないと思っています。
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認知症と言う名の痴呆が出ると人間としての尊厳は保証されにくいという事か。