柔らかな土の抹茶茶碗。
サンドペーパーの「わずかな当て方」で仕上がりが変わります。
漆の表面だけを削り、釉薬を傷つけない慎重な工程。
金継ぎの繊細な世界を、ぜひご覧ください。
私が「ふぐ印 新うるし」を使って金継ぎ作業をするときに意識している“使い方のコツ”をまとめます。新うるしは扱いやすい反面、乾き具合や研磨の当て方で仕上がりの差が出やすいので、抹茶茶碗のように釉薬がきれいな器ほど慎重さが大事だと感じました。 1) まずは下準備(作業前のチェック) 欠けや割れの周りに、粉っぽさ・油分・手の皮脂が残っていると密着が弱くなることがあります。私は水拭き→しっかり乾燥→必要ならアルコールで軽く拭く、の順で整えます。器の釉薬面は特に傷が目立つので、周囲はマスキングしておくと安心です。 2) 新うるしの塗り方:厚塗りしない 「しっかり盛りたい」と思って厚く塗ると、乾燥ムラや研磨の手間につながりがちでした。基本は“薄く均一”を優先。私はヘラや竹ベラで伸ばし、段差が最小になるように整えます。塗った直後に横から光を当てて、うねりや溜まりを確認すると失敗が減りました。 3) 乾燥の目安:触って判断しない 乾燥は環境(温度・湿度)で大きく変わります。早く進めたくても、指で触って確認すると跡が残りやすいので、私は「時間で管理」します。目安としては“次工程で削ってもベタつきが出にくい状態”まで待つイメージ。急ぐと研磨で引きずって表面が荒れやすいです。 4) 研磨(サンドペーパー)の当て方が仕上がりを決める 記事本文にもある通り、サンドペーパーは“わずかな当て方”で結果が変わります。私が意識しているのは、 ・削るのは漆(新うるし)の表面だけ ・釉薬面に角を立てて当てない ・広い面で均すというより「出っ張りだけを静かに落とす」 という感覚です。力を入れるほど、釉薬にうっすら傷が入って後悔しやすいので、軽いタッチで回数を重ねる方が安全でした。 5) 仕上げ前の最終チェック 研磨後は粉をよく落としてから次の塗りへ。粉が残ると表面がざらついたり、金のラインがにごって見える原因になります。私は柔らかい刷毛や布で払ってから、光を当てて段差を確認しています。 抹茶茶碗は手に取る回数が多い器なので、触れたときの引っかかりや違和感がないかも重要でした。新うるしは便利ですが、焦らず「薄く塗る→しっかり待つ→表面だけを静かに削る」を守ると、仕上がりがぐっと安定すると感じます。













