『アザトースの夢想:沈黙する戦場』
それは神ではない。
それは意思でもない。
ただ、眠り続ける圧力である。
宇宙は爆発から生まれたのではない。
思考から生まれたのでもない。
それは、目覚め損ねた存在の“揺らぎ”から零れ落ちた。
その名を
Azathoth
という。
中心は見えない。
形もない。
だが、すべてはそこから歪む。
大地は平面ではない。
空は上ではない。
重力は方向を持たない。
この世界は戦場に似ている。
だが、戦争は起きていない。
プレイヤーは落下し、探索し、奪い合う。
しかしそれは勝利のためではない。
——覚醒を遅 らせるため。
崩れた都市の端に、黒猫が座る。
水面の境界に、半身が魚である山羊が佇む。
どちらも小さい。
だが、どちらも知っている。
ここは現実ではない。
ここは夢の内部構造であると。
もし中心が震えれば、
地形は畳まれ、
空は閉じ、
存在は未定義へと還る。
だから、戦う。
だから、探索する。
だから、壊さない。
この戦場は、
破壊のためではなく、
維持のために存在している。








































































