この赤い漆の正体、知っていますか?
金を蒔く前に使う、べんがら漆です。
べんがらとは、酸化鉄を主成分とした天然の赤い顔料。
そのべんがらを漆に混ぜ、ヒビに沿って一本一本、丁寧に線を描いていきます。
この赤は、ただ色をつけるためではありません。
金粉を美しく蒔くために欠かせない、大切な工程です。
金を蒔くタイミングは、早すぎても遅すぎてもいけません。
漆の乾き具合を見極めながら、最も美しく金が定着する瞬間を待って金粉を蒔いていきます。
今回お預かりしたのは、お母様とお揃いで大切に使われてきたマグカップ。
金継ぎは、壊れたもの を元に戻す技術ではありません。
その器が歩んできた時間や思い出まで受け継ぎ、新たな美しさとして未来へつないでいく、日本の文化です。
だから海外の方々が金継ぎに魅了されるのは、金色の美しさだけではありません。
「傷を隠すのではなく、その歴史を尊ぶ。」
そんな日本人ならではの美意識に、深く心を動かされているのです。
私が個人的に金継ぎを体験した際、べんがら漆の存在が驚きでした。赤い色は単なる彩色と思っていたのですが、金粉を美しく定着させるための重要な役割を持っていると知り、その繊細さに感動しました。 金継ぎは単なる修理ではなく、器の持つ歴史や思い出を尊び、その傷跡をあえて美として際立たせる文化です。壊れた器を元通りにするのではなく、時間の経過や使用者の想いを継承して未来に繋ぐための技術として、最近は海外でも注目されています。 また、金粉を蒔くタイミングを見極めることの難しさも実感しました。乾きすぎず、早すぎず、その絶妙な瞬間に作業を行うことで、金継ぎの美しい輝きを生み出せるのです 。この経験から、職人の技術の繊細さと忍耐力の高さを深く理解しました。 特に、大切な思い出の品を修復する場合、金継ぎは単なる修理方法以上の価値があります。私が大事にしている祖母の茶碗も、金継ぎによって新たな命を吹き込まれ、その美しさと物語が一層愛おしく感じられるようになりました。こうした体験を通して、金継ぎの文化が日本独自の美意識を体現していることを実感しています。






















































漆で接着👍