すき焼きの秋
すき焼きの美味しい秋がやって来た。
知らなかったが、漢字を添えれば、
好きな具材を入れるから「好き焼き」と
思っていた。だけど正解はイメージはずれの
農具に由来する「鋤焼き」だったことには驚いた。
私が最初に驚いたのは、すき焼きの「すき」は“好き”ではなく、農具の「鋤(すき)」に由来するという説が広く知られていることでした。名前だけ聞くと「好きな具材を焼く=好き焼き」と考えたくなりますが、語源をたどると少し違う世界が見えてきます。 すき焼きの語源としてよく紹介されるのが「鋤焼き」説。昔、屋外や作業の合間などに、鋤の金属部分(または鉄板の代わりになる道具)で食材を焼いた、というイメージです。実際に“農具で焼く”のは現代の感覚だと意外ですが、道具が限られていた時代の工夫として語られることが多いです。「鋤焼き」と書くと一気に納得感が出るのも面白いポイントでした。 一方で、すき焼きの起源については地域や時代背景で語られ方が分かれがちです。関西では「焼く」工程を大事にして、まず牛肉を焼いてから砂糖や醤油で味を絡め、具材を加えるスタイルが定番。関東では割り下を使って煮るように仕上げるスタイルが広まりました。私はどちらも好きですが、秋冬に作るなら、最初に肉を軽く焼いて香ばしさを出してから、割り下で整える“いいとこ取り”に落ち着きました。 家ですき焼きをする時の小さなコツもメモしておきます。まず牛脂(または油)で鍋を温め、肉を入れたら動かしすぎないこと。香りが立ってきたら砂糖→醤油(または割り下)の順に少しずつ。長ねぎは焼き目がつくと甘さが増えるので、最初に入れるのが好きです。春菊は煮すぎると香りが飛ぶので、仕上げにさっと。 OCRにもあったように「SUKIYAKI」は海外でも通じる料理名ですが、語源や起源まで知っている人は意外と少ないかもしれません。私自身、ただ“秋に食べたい鍋”だったのが、由来を知ってからは鍋を囲む時間が少しだけ楽しく、話のタネも増えました。今度すき焼きを食べるときは、ぜひ「好き焼きじゃなくて鋤焼きらしいよ」と小話も一緒にどうぞ。




























