看護実習 転倒・転落|リスク要因・予防・発生後の確認
スコアシートでは、点数だけで転倒・転落リスクを判断してよいのか、環境や実際の動作をどう合わせて見るのか迷いやすいポイントです。
記事では、患者さん側の10の主な評価項目、危険度Ⅰ~Ⅲの点数区分、環境・動作・生活場面を合わせた評価、状態変化時の再評価を整理しました。
実習前や記録作成時に見返せるよう、保存しておきましょう。
実習で転倒・転落リスクを考えるとき、私は最初「スコアシートの合計点=結論」になりがちでした。でも指導者さんに「点数は入口。現場の動きと環境がそろって初めてアセスメント」と言われてから、見方が変わりました。ここでは、転倒要因を“書ける形”で補足します。 ■転倒要因(患者側)を具体化するチェック スコアシートの評価項目(年齢、既往歴、活動領域、患者特徴、排泄、病状など)を見たら、私は次のように「観察できる事実」に落とし込みます。 ・歩行状態:立ち上がり、方向転換、トイレ移動でふらつく/足が上がらない ・認知機能:見当識低下、注意散漫、ナースコールを忘れる ・排泄:頻尿・尿意切迫で急ぐ、夜間トイレ回数が多い ・全身状態:発熱、貧血、疼痛、眠気で反応が鈍い ・治療・機器:ドレーン類、点滴スタンド、輸液ポンプが動線を邪魔する ■薬剤の影響(例:眠気・ふらつき)も根拠にする スコアシートに「薬剤」が入る理由は、転倒に直結しやすいからです。私は記録では、薬剤名をむやみに並べるより「副作用として眠気・ふらつきが起こりうる→移動時は見守り強化」のように、転倒転落リスクへつながる説明を書きます。鎮静が出ていそうなら、時間帯(内服後○時間など)と動作場面をセットで確認します。 ■環境面は“ベッド周囲の安全”をテンプレ化すると早い 病室に入ったら、私は毎回同じ順番で見ます。 ・ナースコールは手の届く位置か ・夜間も含め照明が確保されているか ・床や通路に障害物/滑りやすい場所がないか ・床頭台、オーバーテーブル、コード類が整理されているか ・履物や衣類が合っているか ・補助具(杖、歩行器、車椅子等)が安全に使える状態か 環境が整うだけで、同じ身体機能でも転倒・転落リスクが下がるのを実習で実感しました。 ■「実際の動作・生活場面」を見る:ここが点数評価の落とし穴 ベッド上では安定していても、立位保持、方向転換、トイレ動作(ズボンの上げ下げ)、夜間の寝ぼけた移動で急に不安定になります。私は“移動の一連”を観察して、どこで介助が必要か(立ち上がり?歩行?着座?)を分けて書くようにしています。 ■状態変化時の再評価:いつ見直す? 転倒転落リスクは固定ではありません。私は次のタイミングを「再評価の合図」としてメモしています。 ・発熱、貧血、疼痛増悪、せん妄疑いなどでADLが落ちた ・薬剤変更(眠気が出る薬の開始、鎮痛薬の追加など) ・点滴やドレーン追加で動線が変わった ・転倒未遂(ヒヤリハット)があった ■クリティカル・インシデント法(CIT)で“次の予防”につなげる書き方 もし転倒・転落(または未遂)が起きたら、私はCITで「何が決定的だったか」を短く整理します。 例)状況:夜間、尿意でトイレへ/行動:ナースコールせず立ち上がる/環境:足元照明が弱い/要因:眠気+焦り/対策:足元灯、ポータブルトイレ位置調整、夜間の声かけ頻度、ナースコール再指導。 スコアシート(危険度Ⅰ~Ⅲ)でリスクレベルを押さえつつ、薬剤・環境・実際の動作・生活場面までセットで書けると、記録が一気に“現場で使えるアセスメント”になります。

























