ボクが作った朝ごはんを食べるおおやまくみ164

秘密基地①

ボクは空き地に秘密基地を作りました。

板切れとダンボールを集めただけの小さな小屋だけど、屋根にブルーシートをかけたら、なんだかすごく立派に見えます。

「ここは絶対に秘密だぞ」

そう言うと、キミはわかったようにしっぽを振りました。

それなのに、ある日。

学校から帰ってくると、基地の中に知らない女の子が座っていました。

ビー玉を広げて、一人で遊んでいます。

「えっ、誰?」

思わず声が裏返ると、女の子はビー玉をひとつ手に取ってこちらを見ました。

(目が赤い。泣いていたのかな?)

「ごめんなさい、ちょっとだけ、居させて」

キミがワンとも吠えずに、その子の足もとに座り込んでしまうから、ボクにはどうする事も出来ません。

(裏切り者め‥)

そう言いたかったけど、ボクはすぐに気が付きました。

キミはもう、カノジョの事情を知ってしまったんだと思いました。

動物的直感ってやつ?

家に帰りたくないらしい事は聞かなくてもすぐにわかりました。

その目の奥に「言えないもの」があるのは別に"チカラ"を使わなくても直ぐに伝わってきます。

ぼくは困ったふりをしながらも、心の中では一瞬で決めました。

(一緒に基地を使おう。)

その日は夕焼けがきれいでした。

でも女の子の横顔はその何倍もきれいだったと思います。

基地の入り口で、ビー玉を光にかざす女の子の横顔を、ボクは一生忘れないと思いました。

次の日。

基地に行くと、女の子はまた来ていました。

「仲間に入れてくれる?」

とっくに仲間だと、勝手に思い込んでいたから、

「うん‥いいよ‥」ってちょっとだけつまんなそうに答えてしまいました。

でもキミが大きくしっぽを振ってカノジョの周りをぐるっと回ってくれたから、ボク達のチームは結成出来たんだと思います。

それが秘密基地が「三人の場所」に変わった瞬間です。

#せにょおる

#senyo

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#瀬如織

Senyo-Oru Company, Ltd.
2025/9/29 に編集しました

... もっと見る子どもの頃、誰もが一度は自分だけの秘密基地を持ちたいと思ったことがあるでしょう。私も実際に空き地に簡単な小屋を作って、そこで過ごす時間が大好きでした。この投稿のように、秘密基地はただの遊び場以上の意味を持ちます。それは自分だけの安心できる場所、そして時には新しい出会いや友情を育む特別な空間になるのです。 特に印象的なのは「動物的直感」についての描写です。私も子ども時代に犬や猫の行動で、その場の雰囲気や誰かの心情を察した経験があります。動物は言葉を使わずに多くのことを感じ取りますし、信頼できる仲間だと認めると、途端にしっぽを振ったりそばに寄ってきたりします。こうした動物の行動は、子どもたちの感情の機微や人間関係の変化を象徴的に表現しているように思います。 また、秘密基地に知らない女の子が現れて、彼女の事情を察し何も言わずに受け入れる過程も共感を呼びます。現代社会では子ども同士の関係性の築き方が多様化し、心のケアが必要な子どもも増えています。そうした中で、見知らぬ人を思いやり、受け入れる姿勢は人間関係の基盤を作る大切な行動です。 私の経験から言うと、小さな秘密基地作りや自然の中での遊びは、子どもの創造性や社会性を育む良い機会です。今日は忙しい日常から少しだけ離れ、子どものころの気持ちを思い出して、誰かと心を通わせる場の価値を再認識してみてはいかがでしょうか?秘密基地はいつでも、誰にでも「第三の居場所」になり得るのです。